大理石に洗剤を使うリスク
理由⑥:リスク管理上の問題

私は30年以上にわたり、石材の再研磨を中心に
メンテナンス業務に携わっていました。
いろいろな種類の石材を再研磨してつくづく感じることは、
特に大理石に関しては何らかの加工をしてからテーブルや
天板等に使われていることが少なくないということです。

加工というとわかりにくいので言葉を変えると「お化粧」です。
なぜお化粧するのかというと、それぞれの石材が持つ素材感を
より高級感のある色合いや艶感にするためなのです。
ひとつの例ですが、この黒い大理石はネグロマルキーナ
(白が目立つ場合はブラックアンドホワイト)
と呼ばれている石種です。

この黒い大理石の多くは、黒ワックスがかけられた状態で
工場から出荷されます。
黒ワックスの主成分はパラフィンという蝋の一種です。
ご承知のように蝋は水ははじきますが耐久性があまりありません。
そのワックスが塗られた石に中性洗剤を垂らしてしばらく放置すると
白化したりします。ただその事実は、中性洗剤を製造している
洗剤メーカーの方々はまず知る由もありません。
もし洗剤を使って石にシミができてしまった場合、一般消費者の方は
洗剤メーカーにクレームを言う方もいるでしょう。
しかし洗剤メーカー側はなぜ白化してしまったのかわからない…。

だから「大理石へのご使用はお控えください」となるのですね。



クリーニング  2017/07/18(Tue) 09:31:55
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