エフロが発生する原因とその種類
=エフロとは何か=
エフロ(エフロレッセンス)については、清掃を
生業にされている方で知らない方はまずいらっしゃ
らないと思いますが、一般の方もこのブログを
お読みになることは十分想定されれますので、一応
確認のためにエフロの説明をしたいと思います。
エフロレッセンスとはよく階段の立ち上がりなどに
発生する白華現象を指します。

写真を見るとよくわかります。





=エフロの語源=
エフロのことは知っていても、エフロの語源を
ご存知の方はあまりいないと思いますので、
ここで説明をしたいと思います。
エフロレッセンスはラテン語の"Efflo-re-scere"の
「開花する」「花が咲く」が語源です。
英語の文語としてエフロレッセンスという単語は
「栄える」「大成する」という意味でも使われている
こともあるようです。
ただここで説明をしているエフロの意味は、科学用語
としての「風解する」「白華が生じる」「浮上して
結晶化する」となります。

エフロが発生する原因については、いろいろな方が
説明をしていますが、私が考えるエフロ析出の原因は
以下の通りです。


=エフロ析出の原因=
エフロ析出の原因として考えられることは、
「セメントの主成分である石灰分(炭酸カルシウム
 (CaCO3))が酸性雨や空気中に含まれている
 二酸化炭素(CO2)と化学的に反応して溶け出し、
 液体として素材表面に現れたものが、水分が蒸発した
 際に素材表面で炭酸カルシウムが再結晶化したもの」

となります。
本当はもっと詳しく説明をしたいのですが、長くなる
ので割愛します。
詳しく知りたい方は『石とメンテナンス』
お読みください。


=エフロの3つの種類=

エフロは一次白華と二次白華とサブフロレッセンスの
3つに分類されます。

●一次白華●
これは多くの方も目にしたことが多いと思いますが、
コンクリートを打設後乾燥させ、しばらくすると
素材表面に白い粉上のものが発生することがあります。
これが一次白華と呼ばれる現象です。
専門家やコンクリートメーカーの多くはこの現象を
「セメントが空気中の二酸化炭素と科学的に反応して
発生する」などと説明をしていますが、私はあまり
ピンときません。

私の考えはもっと単純で、この一次白華の原因は
単にセメント内部に含まれている炭酸カルシウムの
余分な成分が、素材表面に析出したものではないかと
考えています。
一次白華に関してはセメントの使用にはつきものの
現象であり、なんら問題はありませんので気にする
必要はありません。
寒い季節に発生することが多いです。

●二次白華●
これが今まで説明をしてきた、所謂エフロレッセンス
(白華)の問題としてよく取り上げられている現象です。
厳密にいえば今後エフロに関するいろいろな説明に
関しては、すべてこの二次白華に関することであると
ご判断ください。

●サブフロレッセンス●
これまでエフロレッセンスの説明をしてきましたが、
実はもうひとつのエフロレッセンスがあることを
ご存知でしょうか。
それはサブフロレッセンスというものです。


エフロレッセンスは素材表面に析出するものですが、
サブフロレッセンスは石材内部に発生するものを
指します。一般的なエフロレッセンスであれば
物理的にそぎ落とすか、酸性洗剤で溶かして除去すれば
済みますが、サブフロレッセンスは石材内部で発生する
ためどうすることもできません。

どうしても除去したい場合はバーナーで飛ばすのが
一番手っ取り早いです。当然、本磨きの石はバーナー
仕上げとなりますので艶がなくなります。
サブフロレッセンスが発生し、バーナーがけをして
除去した際の記事はこちらをお読みください。


=エフロの除去方法=
エフロはマイクロクリーナーエフロブレイクで除去後、
マイクロクリーナーストロングで中和洗浄を行って
ください。

お得なセットもございます。


=エフロ防止方法=
エフロ除去後は、マイクロシーラーエフロブロック
または水性インナーガードを塗布し、再発を防ぐ
必要があります。


エフロ除去の動画もご覧ください。



その他 | No.327 新井田   2017/05/25(Thu) 11:12:14
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