高分子化合物100%のコーティング剤
溶媒による3つの分類

溶媒の種類によりコーティング剤を水性と油性の2種類に分けて
説明をしましたが、もう1つ溶媒ゼロの高分子化合物100%の
コーティング剤が存在します。つまりコーティング剤を溶媒の種類で
正確に分類すると、水性と油性そして高分子化合物100%の計3種類
となります。

今回は高分子化合物100%のコーティング剤について説明をしますが、
ひとつ認識していただきたいことは溶媒ゼロの高分子化合物100%は
とても硬化しにくいという一面があるということです。そのため、
硬化を促進させる溶剤分が数%程度配合されていることがほとんどです。
高分子化合物100%の製品でも、数%は硬化促進剤が入っているという
ことを覚えておいてください。

コーティング剤の高分子化合物100%の製品には、有機高分子化合物と
無機高分子化合物の二種類あります。

有機高分子化合物100%
イメージしやすい言葉で言うと、樹脂ポリマーの一種です。
アクリル系、ウレタン系が代表的で、メーカーが特許を取得している
ポリマーも数多くあります。こちらは石材コーティング剤の中で
代表的な有機高分子化合物100%の製品の
ストーンシーラーエンリッチです。

<施工前後>

やわらかな艶感が特徴です。

無機高分子化合物100%
ケイ素を骨格としており、コーティング剤でよく使われている
ものとしてはシラン化合物が代表的です。
無機高分子化合物=ガラスコーティングと考えて差し支えありません。
こちらはガラスコーティング剤の代表的な製品の
マイクロシーラーセラミックガードです。

<施工前後>

艶感は有機高分子化合物と比べ硬質な感じが特徴です。

有機高分子化合物であれ無機高分子化合物であれ、
100%のタイプは水や有機溶剤で希釈していないので
耐久性が高いのが特徴です。
ただ気を付けていただきたいことは、
フロアーコーティング剤で無機100%のガラスコーティングの
施工を謳っている業者も少なくないですが、
現場でコーティング原液に有機溶剤のブタノールを
50%ほど入れて希釈し塗ることがあります。
これでは無機100%とはとても言えませんので、
今後フロアーコーティングを依頼される予定の方は
よく確認されることをおすすめします。



コーティング | No.364 新井田   2017/08/02(Wed) 10:44:17
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