まさに石材研磨のスペシャリスト!
以前にも何度か紹介させていただいている
石材研磨のスペシャリスト川畠さんより、
昨日メールをいただきました。
素晴らしい仕上がりなので、ここでまた
ご紹介したいと思います。
お読みいただければわかるかと思いますが、
ここまで求道的に石材研磨を極めようとする方を
私は知りません。もはや石の鏡面再生に完全に
魅せられてしまったのかもしれません…。

我が同志よ!

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いつもお世話になっております。

遅ればせながらですが、化石天板の研磨+コーティングのご報告です。
今回アンモナイトや化石の堆積物を除いた石材本体の性質が不明なので、
初めから推測しながら[いつもですが…]作業をすることに決めました。
化石が入った石種は堆積岩がほとんどで、様々な事情で変成岩の中にも
確認出来るものがありますが…。

今回の天板本体にあたる色が、私には変成岩的に見えました。
ロッソやマルキーナのような赤茶と黒の色と触った感じが
堆積岩のようには思えませんでした。
堆積岩かどうかは最終番手で見当はつきますので、まずは
硬度を確認する研磨を行いました。
もっとも岩石の岩石カテゴリーを識別する調査ではないので、
想像力を高めながら、いつも通りの作業スタンスで参ります!

施工前 傷が深いです。#400で取切れる傷と判断します。

通常研磨終了
400、M5~M7 化石の部分は光沢計で計測すると
92~95GUは確認出来ます。
通常の施工だとこの工程だけでピカピカです。
しかしやはり本体の光沢が今一上がりません。
このあともう1回念入りに研磨をしましたが、化石部分だけ
上がっていくだけで、本体は光沢50~60GUのままです。

私的にはどうやら堆積岩ではなく、変成岩的と考えます。
高番手のダイヤの傷は一切つきませんでした。
ですが岩石学から言えば堆積岩にあたるかもしれませんね。
私的には堆積岩と認めたくない意見でしつこいですが、
感触で言うと、変成岩のポルトロに似てます。
ポルトロの土のような?部分など、他にも気になる箇所がありました。

方法を変えて、久々に弱酸性の石材用コンパウンドを使って
研磨を進めました。下地はもう傷もないので、
M6→コンパウンド→M7→コンパウンド→M8で仕上げました。

研磨終了後にPUREを希釈使用し中和を行いました。
1つの使い方として、このPUREは弱酸性コンパウンドを使うことで
石をアルカリ性に戻したいときに最適です。界面活性剤などが
特に入った洗剤・薬剤ですと、研磨後の光沢を殺してしまうことも
あるので、電解純水を使用しました。

通常研磨より少し光沢が出ました。本体光沢70~80GU
Mシリーズのダイヤがなければ、もっと悲惨な光沢感だったでしょう。
研磨はこれで終了です。

この後セラミックガードです。こんな鈍い光沢でもセラミック
ガードを使いある方法で鏡のようにさせられます。

セラミックガードを2層塗って完成ですが、セラミックガードを
ただ塗っただけや塗りっぱなしでは下図のようにはならないので、
ここでセラミックガードの輝きを鏡のように、能力を最大限に
引き出す工法を使います。これには時間が必要ですが、下のように
クリアーな天板が完成しました。

なんとなく紆余曲折がありましたが、今回も古の岩石と
研鑽させて頂き感謝の限りでございます。
※夕焼けで赤く染まってます。。キレイな石と化石です!

お蔭さまでお客様もご満足でした。

研磨だけで鏡のようになるのは復元技士には非常に理想です。
ただ時間や金額、労力もあるので、様々な対応策を常に
アイデアとしてストックして、それぞれの資材機材の能力を
最大限に引き出し、且つ“岩石”の美しさを最高値に持って
行くことが私共の役目だと常に考え、いつもそれに思いを
馳せております。

今回は2日掛けてますが、2日間の内他の案件作業も沢山あるので、
研磨に時間は掛けられないと判断し、セラミックガードフィニッシュで
光沢を出した次第です。

使用資材:
ダイヤモンドパッドMシリーズ、
セラミックガード
マイクロクリーナーPURE
弱酸性コンパウンド



研 磨 | No.503 新井田   2018/07/23(Mon) 15:29:24
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