400万円の大理石の補修研磨とコーティング
またまた施工のご報告です。
超高級家具を販売している会社から大理石
テーブルのシミ補修とコーティングの依頼があり、
施工の経過報告をいただきました。
責任者は川畠さんという方で、会社HPがないので
詳しくご紹介はできないのですが、施工に関して
困ったことがありましたらお気軽にお問い合わせください。
期待以上の結果を残す方なので、おすすめです。
以下川畠さんのメールより抜粋してご紹介しますが、
とても勉強熱心な方でいつも感心させられます。

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当初の画像です。
作業は邸宅に納品される際、クレーン車を使った代物ですので
お預かりなどは無理でした。なのでお客様の部屋の中で行う
ことなりました。その上時間制限や期日もありますので、
プレッシャーは感じましたが、まだ余裕はかなりありました。

ラッカーコーティングの上に出来た水玉模様の除去でしたので、
ラッカーごときと安心しきりでした。
天板ガラスと大理石の間にお茶の水滴が隙間から沢山入り、さらに
ガラスの重みで圧縮された湿布状態になった水玉模様でした。
この時はまだ、これから始まる恐怖などみじんも感じることのない
穏やかな心境でした…。


人様の400万円のテーブルにフリーマーケット状態で大変恐縮ですが、
僭越ながら施工開始です。

取り急ぎ800番、もしくは400番で様子を見ようかと8inchで
研磨を始めました。

おぉー!まっさらになり水玉もほとんど取れただろうと思ったその刹那、
全然取れていません…。

何事かと思いましたが、まだまだマイクロポリッシュがあるので
大丈夫と思っていたのですが、石材の肌触りがちょっと違うのは
気のせいと思いこみたい自分がいました。ブルッ

ならば!と思いマイクロポリッシュ#4で行ってもダメ、#3でも
ダメ…#2でも全然ダメです…。
なぜ?なぜ?と8inchを止めて、ハンドポリッシャーに#4を付けて
スポットポリッシュしましたところ、なんと

煙が出始めて、焦げ臭いにおいが漂ってきました。
そして、コーティングの皮がめくれたのです…。
全然ラッカーじゃないじゃないですか?とようやくその存在、
ウレタンコーティングに気づいたのでした。
その場には当然ウレタン用剥離剤はありませんでしたので、刃物と
ハンドポリッシャーでウレタンの除去作業をしていきました。
削りカスとその削りカスの強靭さ、正にウレタンでした。

ここまではまだよかったのです。次回の施工の際にウレタン用
剥離剤でウレタンを取れば余裕でしょうと思っておりました…。

ですがここから更に驚愕の事態に陥ります。
ウレタンを全て取りました。。※ここまででも重労働でした。
一体何なんでしょう?この無数の穴は?一瞬のみ切り仕上げの
ポルトロか?と思ってしまいました。

私も高校生の頃模型に熱中してた時がありましたが、ウレタン
塗装を厚塗りで仕上げる際に下地は多少荒らして密着性を
よくする方法を勉強したことがありました。
なのでそういう類なのだと認識しました。
認識したのはいいのですが、これを補修の穴埋めなしで
研磨でやるのは骨が折れる作業です…。
やっとの思いでウレタンを取って、今度は穴埋めとは
ひどすぎる川ちゃんと思いつつ一応プロなので
すぐに気持ちを切り替え、マイクロポリッシュ#1
ポリッシュ開始です。

やりました!あしたのジョー並に、真っ白に
燃えつきちまったぜ。。。と言ったところでしょうか。。

でもおかげさまで水玉模様取れました。
マイクロポリッシュ#1だけで1時間かかりました。
真っ白になっちゃいました。


ここからようやく研磨の始まりですが、コーティングを厚くする
ご要望もありましたので、密着性をよくする為光沢度は若干控えて
80ぐらいまで持って行きようやく研磨終了です。


さて次なる戦いは、セラミックガード塗りっぱなし施工との
戦いでした。時間制限もある中、取りあえず、1枚1層を
いつも通りに塗って乾拭きです。
そして塗りっぱなしを1層、帰り際施し、乾燥を待つために
日を改めて伺ったところ、塗りっぱなし特有のブツブツが
沢山出ていました。

これらを除去する際は状態にもよりますがM7か8000を
手磨きで使っています。怖いのがブツブツを取る際に
コーティングが一部はがれてしまうところです。
これはけっこう必然的に起こる可能性が高いものの、
修正などさほど難しいことではないのですが。
いかんせん時間制限があるので、私の精神状態は
蚊取り線香の上を飛ぶ蚊のように弱っていました。


時間制限の中、繰り返し繰り返しコーティング上っ面の
ブツブツとザラザラを取り除き、また一部リコートしつつ、
ひたすら繰り返しです。
非常に不安になる魔の時間です。

そして、まだ表面に凹凸があります。

ようやくクリアーになり、凹凸も消えました。







研磨・コーティング[塗りっぱなし仕上げ]が終了致しました。
そして最後に、このテーブルの上にガラスの天板を置いて、
天板と石の間にコーキングを打ち完成となります。

施主様にガラスを置いて頂いた状態です。
当初の水玉、施工中のブツブツやザラザラも見受けられません。

水玉ありの施工前と施工後です。




そしてコーキング(クリアー※半透明)作業開始です。
※生活上の水滴がガラスと石の間に入らない為の処置です。

予期していましたが、一部ガンで打ってみると、案の定
ガラスと石の間にけっこうコーキングが入ってしまいます。
およそ15mmほどでしょうか。
これだと美観が損なわれるので、指打ちです。
指でコントロールしながら、ガラス天板と石の中に飛び出て
入るコーキング剤の幅を同幅に調整していきます。

最終日は一人での作業で、補助の作業者がいないと指打ちでは
乾燥までのテープ剥しに動きがついていけず、少し苦戦しました。
打った直後少しおいて、すぐにササッと剥したいのですが、
そうもいかず、だんだんイライラッと表情が険しくなって
しまいました。。
少々いびつになってる部分もあります。

やり残し多々ありますが完成でございます。復元成功です。


すみません…この後急ぎ横浜の別件があったので
最終の写真あまり撮れていません。面目ないです。。
施主様もご依頼主様も、皆さま非常に喜んで頂きました。

そして遅ればせながら、この度もご紹介頂きまして
ありがとうございました。
今回勉強になったことを上げると非常に多く、
いっぺんに情報が入ってきた感覚は何とも言えません。

□ウレタンコーティングの必要性(家具類)も再検討する
 必要もあるかもしれないこと

□しかし石材用のコーティング[セラミックガード]を
 施すことによって、次回のメンテが容易であること

□2ミリぐらいの穴はマイクロポリッシュで整える
 (8inchでも)ことが出来ること※補修の必要がないこと

□コーティング塗りっぱなしは何度も行ってきましたが、
 やはり時間が必要であること

□お客様には塗りっぱなしに必要なお時間について
 きちんと説明すること

□石材自身に光沢がなくても塗りっぱなしを行うと
 かなりの光沢が得られることを再認識しました

お預かりして施工出来ればなんてことはないのですが、
ご納入される際もクレーン車で搬入の恐るべきテーブル
なので、8inchで行うしかなく、ストーンマスター
ポリッシャーを使えばもっと平滑に出来たのに…と
色々とやり残しがあり、ちょっと残念な気持ちです。

わずか2㎡で¥4000000クラスはそうそう施工出来ないので、
この場を借りてご依頼頂きました皆様に心より感謝を申し上げます。
ご高配をありがとうございました。。


【追記】


テーブル側面のコート剥しと、塗りっぱなしの
セラミックガード画像です。
この側面はウレタンではなくラッカーでした。
削るのはサクサク容易でしたがラッカーなので
黄変してました。黄変してた側面もセラミックガード
&コンパウンド仕上げ後はピカピカです!

素人に処理は難しいですが、塗りっぱなしの場合研磨が
必要ないので助かります。1500相当の光沢の上に
ガード塗りっぱなしです。



研 磨  2017/12/19(Tue) 15:01:22
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