古民家再生プロジェクト8(石張り時に裏面処理を絶対に行うべき理由)
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今回は久々にリフォームネタです。
新年にあたり石材メンテナンスのプロとして、石材の
裏面処理の重要性についてお伝えしたいと思います。
まずは写真をご覧ください。

こちらは現在進行中のリフォーム中の戸建ての
脇にある小道です。
傾斜地にあるため坂になっています。
写真はその小道の上の方から撮った写真です。
この辺りは当初はとんでもない竹林に覆われていて、
少なくともこの小道だけでも50本前後の竹を私が
一人で切り倒しました。

さて、ステップ部分に白い御影石が5枚ほど並べられて
いるのがわかるかと思いますが、残りが黒っぽい石に
なっています。驚くなかれ、実はこれらの石はすべて
同じ白い御影石なのです。
もう少しフォーカスした写真がこちらです。


わかりやすくするためにホースで水をかけてみました
が、水をかけなくても白い石は白いままで、黒っぽい
石は黒っぽいままです。また、黒っぽい方は濡らすと
ぬめりが出て滑りやすくなりとても危険です。

実はこの白い御影石も最初は黒い石と同じような
状態だったのです!
黒味を改善するため、私は石を一旦掘り起こし、
別の場所で乾燥させ、表層劣化防止剤『マイクロ
シーラー水性インナーガード』
を裏面・小口・表面と
全面に噴霧し、乾燥後に元の場所に戻しました。
つまりこの白さをキープしている理由は、水性
インナーガードを施工することにより石材内部への
水の侵入をストップさせ、本来の御影石の白さを
取り戻したということなのです。

また、水性インナーガードには特殊抗菌剤が
配合されているため、白さを維持しつつぬめりの
発生も防げる一石二鳥のコーティング剤です。

水性インナーガードは一般に市販されている油性
(石油系)ではなく100%水性の無機なので、一度
施工すればほとんど劣化することもなく同じ無機
である石との相性も抜群です。おそらくこのまま
ずっとこの白さがキープできるはずです。

このように、いかに石材にとって裏面処理が
重要であるかがおわかりいただけたかと思います。
今回はたまたま置いてある石だったので対処
できましたが、通常石を張る場合はこういう
わけにはいかないので、裏面処理ができるのは
石を張る前のタイミングしかありません。
水性インナーガードはモルタル・コンクリート・
ボンドとの相性も良く、それぞれとの密着強度も
裏面処理をしない状態とほとんど変わりませんので、
安心して裏面処理剤としてご使用いただけます。

ただ残念なことに、これだけ石の美観維持のために
メリットの多い裏面処理ですが、その重要性を十分
認識している建築関係の方がほとんどいないのが
現実なのです。
知っていても知らんぷりをしているくらいです。

それはなぜなのでしょうか。

いろいろ理由は考えられるのですが、ひとつだけ
私見を述べさせていただきますと、「石材を
いつまでも綺麗にキープするためにはどうしたら
良いか」という真剣な問いがなされていないから
ではないかと思います。
まずは納期ありきで頭がいっぱいで、その後の
石の美観などどうでもよいと考えているのかも
しれません。
この濡れジミの問題、ちょっと目をやれば
至るところで発生しています。




おそらく屋外で使用されている石材のほとんどに
濡れジミが発生しているはずです。立派な高級
タワーマンションや最新のインテリジェントビルに
よく行く機会がありますが、外構に莫大なコストを
かけ、せっかく石を敷き詰めているにもかかわらず、
裏面処理がされていないが故にまだら模様になった
外構を目にするたびに私は深い虚脱感を感じずには
いられません。
私は嘆いています。
建築関係の、特に石材に携わるあらゆる人々の中に
一体どれだけ外構の濡れジミを改善しなければと
真剣に考える人が現れるのだろうかと…。



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コーティング | No.533 新井田   2019/01/07(Mon) 11:36:22
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